おたふくかぜワクチン
おたふくかぜについて
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)は、ムンプスウイルスの飛沫感染(感染者のくしゃみや会話時に受ける唾などのしぶきを吸う)により感染します。
主な症状は、片側あるいは両側の耳下腺(だ液腺)などが腫れてきます(顔が下膨れたように見えます)。また、発熱や、嚥下痛(飲み込む時に痛い)を伴うこともあります。
○重症になると
合併症を発症することがあり、特に注意が必要です。
- 髄膜炎:10%程度に発症
- 難聴:1,000人に1人程度、多くは片側性だが回復困難
- 脳炎:まれだが重篤
- 睾丸炎:思春期以降の男性の20~30%に発症
- 卵巣炎:思春期以降の女性の約5%に発症
- 膵炎:約4%に発症
おたふくかぜワクチンについて
おたふくかぜワクチンは任意接種ですが、WHOが水痘と同様に定期接種にすべきワクチンと位置付けています。生ワクチンで、弱毒化したムンプスウイルスを使用しています。
接種時期と接種回数
| 年齢 | 接種時期 | 費用 |
|---|---|---|
| 1回目 | 1歳になったら早期に | 5,610円(税込) |
| 2回目 | 5歳以上7歳未満(小学校入学前年) | 5,610円(税込) |
※任意接種のため全額自費となります
※一部の自治体では公費助成を行っている場合があります
1歳になったらMR(麻しん風しん混合)ワクチン、水痘ワクチンと同時に、できるだけ早く受けることをお勧めします。1歳すぐに接種すると無菌性髄膜炎がたいへん起こりにくいことも分かってきました。
1回接種した人でも、2~6年たったら2回目を接種します。どちらもMRワクチンと同時接種で受けるのがおすすめです。
○副反応について
接種して2~3週間後に熱が出たり、耳下腺がはれたりすることがまれにありますが、自然に治ります。
数千人に1人の割合で、無菌性髄膜炎になることがあります。これは、接種後16日前後で、発熱や嘔吐、不機嫌が続いたら受診してください。ただし、無菌性髄膜炎の発生率は接種しないで自然感染(100人に1~2人)するよりもずっと低く、重症にもなりにくいものです。
またたいへんまれですが、ワクチンでも脳炎を起こすことがあることが最近分かりました。ワクチンの価値はあくまでも自然にかかったときとの比較です。自然のおたふくかぜの脳炎(毎年約30人)に比べて、まれで、症状も軽いので、ワクチン接種が勧められます。
○接種後の注意
- 副反応の発現に注意しましょう
- 接種後、特に数日間は、健康や体調の変化に注意し、ふだんと変わったことがあった場合は医師に相談しましょう
- 高熱やけいれんなどの異常な症状があらわれた場合は、すみやかに医師の診察を受けてください
- 接種後15~30分程度は接種医療機関でお待ちいただき、体調がおかしいなと気づいた時に、すぐに、医師や看護師と連絡がとれるようにしておきましょう
- 注射した部分は清潔に保ちましょう
- 接種当日の入浴は問題ありませんが、注射した部分を強くこすらないようにしましょう
- 接種当日の激しい運動や過度の飲酒は控えてください
○持ち物
- マイナンバーカード、保険証など本人確認書類
- 母子手帳(お子様のみ)
- ご記入済みの予診票
- 院内ではマスク着用をお願いいたします
