【B型インフルエンザ】4日も経ったのに伝染る? B型インフルエンザ:あらためてまとめてみた
今シーズン(2025〜26年)インフルエンザの流行は例年より早く始まり、A型が先行したあとB型が急増しています。「B型は軽い」と思われがちですがそれは誤解です。本コラムでは、国際論文11件をもとに、B型インフルエンザの特徴・重症度・B/山形系統消滅の意味・ワクチンの変化まで、わかりやすく解説します。
■1. B型インフルエンザとは何か
インフルエンザウイルスにはA型・B型・C型・D型がありますが、人に季節性の流行を起こすのは主にA型とB型です。B型インフルエンザウイルス(以下IBV)は1940年に初めて分離されて以来、毎年の流行期にA型と共存して人々に感染し続けています1,2。
A型と異なり、IBVには「パンデミックを起こすリスクがない」という大きな特徴があります。これはIBVが豚や鳥など他の動物に安定した感染源(動物リザーバー)をもたないためです1。一方でその分だけ研究・注目度が低く、「B型は軽い」という誤解が広まってしまいました。
世界全体でインフルエンザによる死者は年間約65万人とされており、そのうち20〜30%がB型インフルエンザに起因すると推計されています1。決して軽視できないウイルスです。
■IBVの基本まとめ
- 季節性インフルエンザ全体の約20〜30%を占める1,2
- 動物リザーバーがなく、パンデミックリスクはない
- 2つの系統(B/ビクトリア系統・B/山形系統)が長年共存してきた
- 特に小児・思春期に重症化しやすい
■2. B型インフルエンザの「2つの顔」:ビクトリア系統と山形系統
IBVには1980年代から、遺伝的・抗原的に異なる2つの系統が共存してきました。B/ビクトリア系統(以下ビクトリア)とB/山形系統(以下山形)です1,2。この2系統は流行パターン・感染する年齢層・病原性に違いがあります。
| 特徴 | B/ビクトリア系統 | B/山形系統 |
|---|---|---|
| 感染しやすい年齢 | 主に小児〜10代(0〜13歳がピーク) | 幅広い(小児と25〜50歳の二峰性) |
| 抗原変異の速さ | 速い(3.9〜5.1年サイクル) | 遅い(6.3〜7.2年サイクル) |
| 小児入院の割合 | 全IBV入院の47%が小児 | 全IBV入院の12%が小児 |
| 現在の状況 | 現在も世界中で流行中 | 2020年以降、検出例なし(事実上消滅) |
※ビクトリア系統が子どもに多い理由として、子どもの気道粘膜にα-2,3結合シアル酸(ビクトリアが結合しやすい受容体)が多く発現していることが挙げられています。
■3. 【重要】 B/山形系統は事実上「消滅」した
インフルエンザ研究の世界で近年最も注目された出来事の一つが、B/山形系統の消滅です。
2020年3月、米国アリゾナ州で採取された検体(B/Arizona/12/2020)を最後に、世界のどこからもB/山形系統のウイルスは検出されていません3。その後2021〜2023年にインド・ブルガリアなどから報告があったものの、いずれも再検査で否定または確認不能とされました1。WHOのサーベイランスデータベース(FluNet)・GISAID(世界インフルエンザデータ共有機構)ともに、2022年・2023年・2024年の山形系統の検出数はゼロです1。
Cainiら(2024年、Lancet Microbe)の系統的レビューは、複数の世界的サーベイランスデータを解析した結果、山形系統は「確率的に消滅した可能性が高い」と結論づけました3。ただし研究者たちは「まだ正式に絶滅宣言するには時期尚早」とも述べており1、引き続き監視が続いています。
ワクチンはどう変わったか
この状況を受け、WHOは2023年9月の推奨会議で、2024〜2025年シーズンから山形系統成分を含む4価ワクチンを廃止し、3価ワクチン(A型×2株+Bビクトリア×1株)に変更する方針を決定しました4。
Del Riccioら(2024年、Euro Surveillance)は、この移行に際して「サーベイランスの継続強化・山形系統の再出現に備えた実験室管理・新たな社会的コミュニケーション戦略」が必要だと論じています5。万一、山形系統が再び出現した場合、現在の3価ワクチン接種者には山形系統への防御が不十分となる可能性があるためです。
⚠ 今シーズンのワクチンは3価+αで対応
2024〜2025年シーズンの日本では、従来の4価成分(A/H1N1・A/H3N2・B/ビクトリア・B/山形)から山形成分が除かれた3価を基本とした新フォーマットへの移行が進んでいます。ワクチンを接種済みの方も、現在流行中のB/ビクトリア系統への対応は含まれています。
■4. 「B型は軽い」は本当か?—重症度の実態
B型インフルエンザは「A型より軽い」と思われてきましたが、データはそれを支持しません。
成人・高齢者への影響
Sumnerら(2023年、Lancet Microbe)は、米国の10万4,969件のインフルエンザ入院データ(2010〜2019年)を解析しました6。その結果、B型はA/H3N2と比べてICU入院(オッズ比1.06)・人工呼吸器/ECMO使用(同1.14)・院内死亡(同1.18)のいずれもわずかに高い傾向を示しました。入院者全体では16.7%がICU管理を要し、3.0%が院内で死亡していました6。
また、致死的なB型感染では発症から死亡までの期間が、1918年・1957年・1968年・2009年の各インフルエンザAパンデミックよりも短いことが報告されています2。
小児・思春期への影響
特に注意が必要なのが小児です。カナダの12小児病院における研究(Tranら、2016年、Pediatrics)では、B型で入院した16歳以下の患者1,510例の死亡率が1.1%で、A型(0.4%)の約3倍でした8。さらに10歳以上の基礎疾患のない健康な小児においても、B型感染者はA型と比べてICU入院のオッズ比が5.79倍(95%CI: 1.91〜17.57)という結果でした8。
米国CDCのデータを解析したShangら(2018年、Pediatrics)によると、2010〜2016年に米国で報告されたインフルエンザ関連小児死亡の16〜52%がB型によるものでした9。小児のB型死亡例では、心筋障害と細菌性肺炎の合併が主な原因として挙げられており9,2、特に心筋炎は小児B型死亡の重要な要因の一つです1。
■B型インフルエンザの重症化リスクが高い人
- 10歳以上の基礎疾患のない健康な小児・思春期
- 高齢者(特に65歳以上)
- 基礎疾患のある方(喘息・心疾患・糖尿病など)
- 免疫抑制状態にある方
■5. B型インフルエンザの症状と注意すべき合併症
B型インフルエンザの基本症状はA型と区別がつきません:発熱・咳・咽頭痛・鼻汁・全身倦怠感が典型です1,2。ただし合併症のパターンはA型と異なります。
注意すべき合併症
神経・筋症状:小児のB型感染において、脳炎・急性脳症・小脳失調・筋炎(横紋筋融解症)などが報告されています2。発熱後に意識障害・けいれん・歩行困難が現れた場合は速やかに受診が必要です。
心臓への影響:B型インフルエンザに伴う心筋炎は、特に小児では致死的になり得ます。胸痛・動悸・急激な呼吸困難を伴う場合は要注意です1,2。
二次性細菌感染:インフルエンザ後の細菌性肺炎・敗血症性ショックが重篤化の原因となります。特にB型+溶連菌の同時感染が重篤な肺炎を起こした報告があります2。
■6. ウイルス量のピークが遅い
2025年12月に公開されたばかりのプレプリント論文(Huntら、medRxiv 2025)は、SARS-CoV-2・インフルエンザA・インフルエンザBの鼻腔内ウイルス量ピークのタイミングを比較し、非常に重要な知見を示しました11。ジョージア州の検査センターで有症状上気道感染症として受診した2023〜2025年の患者(Flu B:成人42名・小児115名)を発症からの経過日数で層別化し、Ct値によるウイルス量を解析したものです。
A型とB型の決定的な違い
| ウイルス | 成人のウイルス量ピーク | 小児のウイルス量ピーク | 抗原検査の感度が最高になる日 |
|---|---|---|---|
| インフルエンザA型 | 発症すぐ(0〜1日目) | 発症直後(0〜1日目) | 成人:0日目 / 小児:0日目 |
| インフルエンザB型 | 発症4日目 | 発症4日目 | 成人:4日目 / 小児:3〜4日目 |
A型は発症と同時にウイルス量がピークに達するため、「症状が出た当日〜翌日」に感染力が最も高く、かつ抗原検査も陽性になりやすいという特徴があります。
一方B型はまったく異なる動態を示し、発症から4日間かけてゆっくりウイルス量が増え、4日目にピークを迎えます11。これは、日本における出席停止期間前日にあたり、臨床・公衆衛生の両面で重大な意味をもちます。
B型の”遅いピーク”が今冬の大流行を助長している可能性
ウイルス量が発症直後に急増するA型と異なり、B型は発症1〜2日目にはまだウイルス量が比較的少ないため、「まだ軽いから大丈夫」と思って出勤・登園してしまうケースが多くなります。ところがその翌日・翌々日とウイルス量は着々と増え続け、4日目には感染力が最高潮に達します。つまり、症状が出てから数日間、本人も周囲も気づかないまま感染を広げ続けるという構造が生まれやすいのです。
また、B型の抗原検査は発症早期(0〜1日目)には感度が低く、「発症当日に病院で検査→陰性→インフルエンザではないと判断→出勤継続」というシナリオが起きやすくなります。抗原検査の感度が最も高くなるのは発症4日目前後と、A型(0日目)よりはるかに遅いためです11。これらの要因が重なり、B型流行期には感染連鎖が静かに広がりやすく、今冬の大流行にも一因となっている可能性があります。
⚠ B型インフルエンザを疑ったら:発症初日の陰性を過信しない
発症0〜1日目の抗原検査は偽陰性になりやすいです。「熱があるのに陰性だった」という場合でも、2〜3日後に再検査を行うと陽性になることがあります。症状があれば、検査結果にかかわらず自宅での安静・マスク着用をお勧めします。
B型インフルエンザは「2峰性の発熱経過」をとることがある
B型インフルエンザのもう一つの臨床的特徴として、発熱が一度下がったあと再び上昇する「2峰性(双峰性)パターン」が知られています。A型でも2峰性はありますが、B型でより典型的に見られるとされます1,2。
この2峰目の発熱には主に2つのメカニズムが考えられます。まず上述のウイルス動態から考えると、発症4日目にウイルス量がピークに達することで、免疫応答が再び活発化し炎症・発熱が再燃するという可能性があります11。もう一つは、二次性細菌感染(細菌性肺炎・中耳炎・副鼻腔炎など)による発熱の再上昇です1,2。
臨床的に重要なのは、「熱が下がった=治った」と思って活動を再開したタイミングが、ちょうどウイルス量が増えてくる時期と重なりやすいことです。さらに2峰目の発熱が高く、倦怠感・咳が増悪する場合は細菌感染の合併を念頭に再受診を検討してください。
B型インフルエンザのウイルス動態と臨床対応のポイント
- ウイルス量ピーク:A型は発症0〜1日目、B型は発症4日目
- 抗原検査の感度ピーク:A型は発症当日、B型は発症3〜4日目
| 薬剤名 | 作用機序 | B型への効果 | 投与経路 |
|---|---|---|---|
| オセルタミビル(タミフル) | ノイラミニダーゼ阻害薬 | △(A型より効果低い) | 経口 |
| ザナミビル(リレンザ) | ノイラミニダーゼ阻害薬 | 有効(A型と同等) | 吸入 |
| ペラミビル(ラピアクタ) | ノイラミニダーゼ阻害薬 | 有効 | 点滴静注 |
| バロキサビル(ゾフルーザ) | キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬 | 有効(A・B両方) | 経口 |
- 発症早期の陰性結果でB型を除外しない
- 「一度解熱してからの再発熱」に要注意(ウイルス量再増加 or 細菌合併)
- 2峰目の発熱が高い・咳が増悪する場合は再受診を
■7. 治療薬について:抗ウイルス薬の使い方
現在承認されているインフルエンザ治療薬は、大きく2種類に分けられます1,2。
重要な点として、アマンタジン・リマンタジン(アダマンタン系)はB型には無効です。これはB型のイオンチャンネル(BM2)の構造がA型(AM2)と異なるためです1,2。
いずれの薬剤も、発症48時間以内の早期投与が効果の鍵です。「B型だから様子を見よう」ではなく、症状が出たら速やかに受診することが重要です。
■8. 近年のB型インフルエンザ流行状況
WHO FluNetのデータによると、2022年以降の世界のインフルエンザBは100%がビクトリア系統です1。2023年の全インフルエンザ報告892,260件のうちB型は179,763件(20.1%)、2024年上半期(〜6月)も215,520件(27.2%)がB型として報告されています1。
カナダのナショナルインフルエンザレポート(2023〜2024年)は、ビクトリア系統優位シーズンにおいて小児が全B型入院の47%を占めたと報告しており7、山形系統が主流だった過去のシーズン(12%)と比べて小児への影響が劇的に増加していることを示しています。
■9. ワクチン接種の重要性
インフルエンザワクチンは、B型インフルエンザに対しても有効な予防手段です。2024〜2025年シーズンから山形系統が除かれ3価ベースに変更されましたが4、現在流行しているビクトリア系統への対応は維持されています。
特に重要なのは、高齢者・乳幼児・基礎疾患のある方・その家族や介護者への積極的な接種です。小児においては、インフルエンザBによる重篤な合併症(心筋炎・脳症)のリスクを下げるためにも、毎年のワクチン接種が推奨されます6,8,9。
「去年打ったから大丈夫」ではなく、毎年の接種が必要です。インフルエンザウイルスは毎年変異を繰り返すため、前年度のワクチンの効果は当該シーズンには期待できません。
■10. まとめ:B型インフルエンザについて知ってほしいこと
- B型インフルエンザは年間インフルエンザ死亡の20〜30%を占める重要な感染症
- 「B型は軽い」は誤解。特に小児・思春期では入院・死亡リスクがA型と同等またはそれ以上
- B/山形系統は2020年3月以降、世界で検出されておらず事実上消滅。現在はビクトリア系統のみ
- 2024〜2025年シーズンから山形成分が除かれた3価ベースのワクチンへ移行
- B型はウイルス量ピークが発症4日目と遅く、発症初期の陰性検査を過信せず2〜3日後に再検査を検討
- B型は2峰性の発熱経過をとることがあり、再発熱時は細菌合併やウイルス量の再増加を疑い再受診を
- 抗ウイルス薬は発症48時間以内の早期投与が大切
- 毎年のワクチン接種が最も有効な予防策
まんかいメディカルクリニックより
当院ではインフルエンザのPCR検査・抗ウイルス薬処方を行っています。「熱があるけれどインフルエンザかどうかわからない」「子どもの症状が心配」など、お気軽にご相談ください。また、生活習慣病など慢性疾患をお持ちの方は、インフルエンザが基礎疾患の増悪につながることがあります。重症化リスクが高い方には特に早めの受診と抗ウイルス薬投与を推奨しています。
■よくある質問(FAQ)
Q1.B型インフルエンザはA型より軽いと聞きますが、本当ですか?
いいえ、それは誤解です。
長年「B型はA型より軽い」と言われてきましたが、最新の研究はこれを否定しています。米国で10万件超の入院例を解析した研究(Sumner et al., 2023, Lancet Microbe)では、B型はA/H3N2と比べてICU入院・人工呼吸器使用・院内死亡のいずれも同程度またはわずかに高い傾向を示しました6。
特に小児では顕著で、カナダの12病院の研究(Tran et al., 2016, Pediatrics)では、10歳以上で基礎疾患のない健康な小児であっても、B型感染者はA型と比べてICU入院のオッズ比が5.79倍でした8。「軽い」と思って受診を遅らせることがないようにしてください。
Q2.B/山形系統が消滅したと聞きました。今後のワクチンはどう変わるのですか?
2024〜2025年シーズンから、山形系統成分が除かれた新フォーマットに移行しました。
B/山形系統の最後の確認例は2020年3月(米国)で、以降世界のどこからも検出されていません3。Cainiら(2024, Lancet Microbe)の系統的レビューは「山形系統は確率的に消滅した可能性が高い」と結論づけました3。
これを受けてWHOは2023年9月、翌シーズンから山形成分を含む4価ワクチンの推奨を廃止し、3価ベース(A/H1N1・A/H3N2・B/ビクトリア)へ変更しました4。現在流行しているビクトリア系統への対応は維持されているため、ワクチンの有効性への影響は最小限とされています。ただし、万一山形系統が再出現した場合の準備として、各国の監視体制は継続されています5。
Q3.子どものB型インフルエンザで特に注意すべき症状はありますか?
心臓症状・神経症状・高熱が続く場合は速やかに受診してください。
B型インフルエンザは小児に特有の重篤な合併症を起こすことがあります。研究によると、小児B型の致死例では心筋障害(心筋炎)と細菌性肺炎の合併が主な原因として挙げられています(Shang et al., 2018, Pediatrics;Paddock et al., 2012, J Infect Dis)9。
具体的に受診を急ぐべきサインは次のとおりです:
- 胸の痛み・動悸・急激な呼吸困難(心筋炎の疑い)
- 意識がぼんやりする・けいれんを起こす(インフルエンザ脳症の疑い)
- 足や腕に強い痛みがある、うまく歩けない(筋炎・横紋筋融解の疑い)
- 一度解熱したあと再び高熱が出た(二次性細菌感染の疑い)
これらの症状がある場合は夜間・休日でも救急受診をお勧めします。
Q4.タミフルやゾフルーザはB型インフルエンザにも効きますか?
はい、効果はありますが、薬剤によって効き方が異なります。
現在承認されているインフルエンザ治療薬のうち、アマンタジン(シンメトレル)などのアダマンタン系薬はB型には全く効きません1,2。これはB型ウイルスのイオンチャンネル(BM2)の構造がA型と異なるためです。
一方、ノイラミニダーゼ阻害薬(タミフル・リレンザ・ラピアクタ)とキャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬(ゾフルーザ)はB型にも有効です。ただし、タミフルはB型に対してA型と比べて効果が低いというデータがあり1,2、リレンザ(吸入)はA型・B型で同等の効果が示されています。いずれの薬も発症後48時間以内の早期投与が最も重要です。かかりつけ医または当院にお気軽にご相談ください。
Q5.今年インフルエンザワクチンを接種済みですが、それでもB型に感染しますか?
ワクチン接種後も感染する可能性はありますが、重症化リスクを下げる効果は認められています。
インフルエンザワクチンは「完全に感染を防ぐ」ものではなく、発症リスクを下げ、感染した場合も重症化・入院・死亡のリスクを軽減することを主な目的としています。ワクチンの有効性はシーズンや年齢によって異なりますが、毎年の接種によって免疫が蓄積・更新されることが重要です。
2024〜2025年シーズンのワクチンにはB/ビクトリア系統が含まれており、現在流行中のB型ウイルスに対して一定の防御効果が期待できます4。「ワクチンを打ったから絶対大丈夫」ではなく、発熱・咳などの症状が出た場合は早めに受診することをお勧めします。特に基礎疾患のある方・高齢者・小さなお子さんの場合は、症状出現後できるだけ速やかに医療機関を受診してください。
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記事監修者田場 隆介
医療法人社団 青山会 まんかいメディカルクリニック 理事長
医療法人社団青山会代表。兵庫県三田市生まれ、三田小学校、三田学園中学校・同高等学校卒業。 1997(平成9)年岩手医科大学医学部卒業、町医者。聖路加国際病院、淀川キリスト教病院、日本赤十字社医療センター、神戸市立医療センター中央市民病院を経て、2009(平成21)年医療法人社団青山会を継承。 2025年問題の主な舞台である地方の小都市で、少子高齢化時代の主役である子どもと高齢者のケアに取り組んでいる。
