子どもの嘔吐
お子さまが突然吐いてしまうと誰でも不安になります。実は、子どもの嘔吐はよくある症状です。食べ過ぎといった単純な原因から、緊急性の高い病気まで、様々な原因が考えられます。一方で、1歳未満の乳児では体重の約10%、5歳児では約5%の水分喪失で脱水症状が始まるなど、小さな体には嘔吐の影響が大きいこともあります。ウイルス性胃腸炎や食中毒、アレルギーなど、子どもの嘔吐の考えられる原因と、家庭での対処法、そして病院を受診すべきケースを解説します。お子さんの嘔吐に適切に対応できるよう、お役立てください。
一刻を争う事態を見逃さないために、嘔吐に隠れた危険信号を知っておくことは重要です。 緑色の嘔吐物や血便、激しい腹痛、意識障害など、見逃せないサインを見つけるための知識を身につけ、お子さんを守りましょう。
■子どもの嘔吐:原因4選
子さまが吐いてしまうと、何が原因なのか、どうすればいいのか分からず、途方に暮れてしまうこともあるでしょう。嘔吐は、体にとって異物や刺激物を排除しようとする、防御反応の一つです。吐くこと自体は悪いことではありませんが、原因によっては適切な処置が必要になります。
子どもの嘔吐の原因として考えられる主なものを4つご紹介し、それぞれの原因について解説します。お子さまの嘔吐の原因を理解することは、適切な対処法を選択する上で重要です。
1.ウイルス性胃腸炎(ノロウイルス、アデノウィルス、エンテロウィルス、コクサッキーウィルス、サポウィルス)
ウイルス性胃腸炎は、ウイルス感染によって引き起こされる、嘔吐や下痢、腹痛、発熱といった症状を伴う病気です。主な原因となるウイルスには、ロタウイルス、ノロウイルス、アデノウイルスなどがあります。
ロタウイルスは特に乳幼児に多く、冬場に流行しやすい傾向があります。感染力が非常に強く、少量のウイルスでも感染し、激しい嘔吐や下痢を引き起こすことがあります。特に乳幼児は、体内の水分量が少なく、脱水症状に陥りやすいので注意が必要です。ノロウイルスも感染力が強く、一年を通して感染が見られますが、特に冬場に流行します。吐物や便の中にウイルスが長時間残存するため、二次感染を防ぐための対策が重要です。エンテロウィルスは夏によく見られ、発熱、喉の痛み、嘔吐や下痢、発疹を伴うこともあります。コクサッキーウィルスも夏に流行し、ヘルパンギーナや手足口病の原因で、発熱とともに嘔吐を伴うことがあります。 アデノウイルスは以前からプールでの感染が多いとされ、夏に流行しやすく、乳幼児で重症化しやすい傾向があります。サポウィルスは、症状として嘔吐のみがみられることが多く、保育園や学校で集団感染が認められます。
ウイルス性胃腸炎は通常数日で回復しますが、脱水症状がひどい場合は、病院での点滴治療が必要になることもあります。嘔吐が続く場合は、脱水症状の兆候(尿量の減少、口の渇き、ぐったりしているなど)がないか注意深く観察し、必要に応じて医療機関を受診しましょう。
2.細菌性食中毒(サルモネラ菌、カンピロバクターなど)
細菌性食中毒は、汚染された食品を摂取することで、体内に細菌が侵入し、嘔吐や下痢、腹痛、発熱などの症状を引き起こす病気です。原因となる細菌には、サルモネラ菌、カンピロバクター、黄色ブドウ球菌など、さまざまな種類があります。
サルモネラ菌は鶏肉や卵などの食品に多く含まれており、加熱が不十分だと感染する可能性があります。カンピロバクターは鶏肉や牛肉などの食肉に多く、少量の菌でも感染する可能性があります。黄色ブドウ球菌は毒素を産生するため、食品を食べてから数時間で症状が現れるのが特徴で、多くの場合発熱を伴いません。サルモネラ菌やカンピロバクターによる食中毒では、発熱や血便を伴う場合もあります。
細菌性食中毒は通常数日で回復しますが、重症化すると入院が必要になる場合もあります。特に乳幼児や高齢者は重症化しやすいので注意が必要です。嘔吐や下痢がひどい場合は、脱水症状にならないように水分補給をしっかり行い、医療機関への受診を検討しましょう。
3.突発性発疹など
突発性発疹は、ヒトヘルペスウイルス6型、7型によって引き起こされる感染症で、高い熱が数日続いた後、熱が下がるとともに全身に発疹が現れます。突発性発疹では、高熱に加えて、嘔吐や下痢、咳、鼻水などの症状が現れることもあります。
突発性発疹はほとんどの場合予後良好ですが、まれに高熱によるけいれんや脳炎などの合併症を起こすこともあります。また、突発性発疹以外にも、おたふく風邪や麻疹(はしか)など、他の感染症でも嘔吐を伴うことがあります。子どもの嘔吐の原因を特定することは難しい場合もありますが、高熱や発疹などの他の症状にも注意を払い、医療機関を受診して適切な診断を受けることが重要です。
4.食物アレルギー
食物アレルギーは、特定の食品を摂取した際に、体が過剰に反応して、じんましんやかゆみ、嘔吐、下痢、呼吸困難などの症状を引き起こす病気です。原因となる食品は人によって異なり、卵、牛乳、小麦、大豆、ピーナッツなどが代表的です。
食物アレルギーの症状は、摂取した食品の量やアレルギーの程度によってさまざまです。軽度の場合、皮膚にかゆみが出たり、口の中がピリピリする程度ですが、重症になると、呼吸困難や意識障害などを引き起こすアナフィラキシーショックを起こす可能性もあります。食物アレルギーが疑われる場合は、専門の医療機関を受診し、アレルギー検査を受けることが重要です。食物アレルギーは、少量の摂取でも重篤な症状を引き起こす可能性があるため、原因食品を特定し、厳密に除去することが重要です。
嘔吐は多くの場合一過性のもので自然に軽快しますが、嘔吐の頻度や程度、付随する症状によっては、緊急性の高い病気が隠れている可能性もあります。胆汁性の嘔吐(緑色の嘔吐)は、腸閉塞などの緊急性の高い病態を示唆している可能性があるため、迅速な医療機関への受診が必要です。
■子どもの嘔吐:症状と見分け方
子どもの嘔吐は消化器系のトラブルだけでなく、様々な原因で起こり得ます。
子どもの嘔吐には緊急を要する病気が隠れているケースもあるため、嘔吐に付随する症状を注意深く観察することが重要です。
吐き気
吐き気は、嘔吐の直前にしばしば感じる不快感で、吐きたい気持ちを表しています。吐き気は嘔吐の重要なサインですが、吐き気だけが単独で起こる場合もあります。
例えば、乗り物酔いや、精神的なストレス、偏頭痛なども吐き気を引き起こすことがあります。小さなお子さんはうまく言葉で伝えられない場合もあるため、顔色が悪い、冷や汗をかいている、お腹をさすっている、よだれが増えている、などのサインを見逃さないようにしましょう。
吐き気を訴える、あるいは吐き気のサインが見られる場合は、まず安静にさせ、楽な姿勢をとらせてあげましょう。無理に動いたり、明るい場所にいたりすると症状が悪化する場合があります。吐き気が続くようであれば、水分を少量ずつ与えて様子を見ます。吐き気が治まらない、または悪化する場合は、医療機関への受診を検討しましょう。
腹痛
嘔吐とともに腹痛がある場合、その原因は多岐にわたります。食あたりや胃腸炎などの消化器系の感染症では、嘔吐と腹痛が同時に起こることがよくあります。また、腸閉塞や虫垂炎などの外科的な疾患でも、腹痛と嘔吐が見られることがあります。
腹痛の訴え方は年齢によって大きく異なります。例えば、2歳くらいまでのお子さんは腹痛を言葉で伝えることが難しいため、機嫌が悪くなったり、泣き叫んだり、お腹を蹴ったりすることで不快感を表現する場合があります。少し大きくなると、「お腹が痛い」と訴えることができますが、具体的な痛みの種類や場所を伝えるのは難しいかもしれません。
腹痛を訴える場合は、痛む場所、痛みの種類(しくしく痛む、ズキズキ痛むなど)、痛みの強さなどを詳しく聞いてみましょう。年齢が低い場合は、保護者の方がお腹を触ってみて、硬さや圧痛の有無を確認することも重要です。痛みの部位や性質から、緊急性の高い疾患、例えば胆汁性の嘔吐(緑色の嘔吐)は腸閉塞などの緊急性の高い病態を示唆している可能性があるため、迅速な医療機関への受診が必要です。また、発熱を伴う場合は、感染症や炎症性疾患の可能性も考慮する必要があります。
下痢を伴う場合
嘔吐と下痢が同時に起こる場合、ウイルス性胃腸炎や細菌性食中毒などの感染症の可能性が高いです。ノロウイルスやロタウイルスといったウイルスは少量でも感染し、激しい嘔吐や下痢を引き起こすことがあります。また、サルモネラ菌やカンピロバクターといった細菌による食中毒でも、同様の症状が現れます。
これらの感染症では、嘔吐や下痢によって体内の水分や電解質が失われ、脱水症状を引き起こすリスクがあります。特に小さなお子さんでは、脱水症状が重症化しやすいので注意が必要です。便の回数や性状、色、においなども重要な情報となります。
発熱を伴う場合
嘔吐に加えて発熱がある場合、感染症の可能性が高いと考えられます。ウイルス性胃腸炎、細菌性食中毒、インフルエンザ、突発性発疹など、様々な感染症で嘔吐と発熱が同時に起こることがあります。
発熱の程度や持続時間、他の症状(咳、鼻水、発疹など)の有無などを観察することで、原因を特定する手がかりになります。高熱が続く場合や、ぐったりしている場合は、医療機関への受診が必要です。髄膜炎などの重篤な疾患の可能性も考慮し、早めの受診を心がけましょう。
ぐったりしている、水分を受け付けない
お子さんが嘔吐し、ぐったりしている、水分を受け付けない場合は、脱水症状が進行している可能性があります。脱水症状は、体内の水分と電解質が不足した状態であり、重症化すると命に関わることもあります。
特に乳幼児は、体重に対する体液の割合が高いため、脱水症状に陥りやすいです。脱水症状のサインとしては、ぐったりしている、元気がない、尿量が少ない、口唇が乾燥している、皮膚の弾力性が悪い(つまんで離すと戻りが遅い)、泣いても涙が出ない、などがあります。
これらの症状が見られる場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。嘔吐の原因が何であれ、ぐったりしている、水分を受け付けない場合は緊急性が高い状態です。
■子どもの嘔吐:家庭での対処法とケア
吐くこと自体は悪いことではありません。しかし、原因によって適切な処置が必要になります。原因によっては緊急を要する場合もあるので、正しい知識を身につけましょう。
水分補給(経口補水液、イオン飲料など)少量ずつ頻回に与える
嘔吐を繰り返すと、体の中の水分や電解質(体液のバランスを整えるミネラル)が失われ、脱水症状になることがあります。特に子どもは体が小さく、体内の水分量が少ないため、大人よりも脱水症状に陥りやすいです。脱水を防ぐために、こまめに水分を摂ることが大切です。1歳未満のお子さんでは、体重の約10%、5歳のお子さんでは約5%の水分が失われるだけで、脱水症状の兆候が現れ始めます。
水分補給のポイント
- 少量ずつ、頻回に与える
一度にたくさん飲むとお腹に負担がかかり、再び嘔吐してしまう可能性があります。ティースプーン1杯(約5ml)程度の量を、数分おきに与えるのが効果的です。年齢や嘔吐の程度にもよりますが、5歳のお子さんであれば、30分に50ml程度を目安に与えてみましょう。
- 経口補水液やイオン飲料
薬局などで市販されている経口補水液やイオン飲料は、嘔吐によって失われた水分と電解質を効率よく補給できます。水やお茶だけでは電解質が不足してしまうため、嘔吐が続く場合は、経口補水液やイオン飲料の使用を検討しましょう。WHO(世界保健機関)も推奨する経口補水液のレシピは、水1リットルに砂糖大さじ4杯半(45g)と塩小さじ1杯(3g)を溶かしたものです。家庭で作る場合は、清潔な水と正確な計量を心がけましょう。
- 母乳・ミルク
母乳を飲んでいる赤ちゃんは、母乳を少量ずつ与え続けましょう。嘔吐がひどい場合は、一旦母乳を中止し、経口補水液で水分補給を行い、嘔吐が落ち着いてから母乳を再開するのが良いでしょう。ミルクの場合は、嘔吐が落ち着くまでは控え、経口補水液やイオン飲料で水分補給を行いましょう。
- 吐いた直後は30分~1時間程度、飲食物を与えない
嘔吐直後は胃が刺激を受けているため、すぐに水分や食事を与えると再び嘔吐してしまう可能性があります。嘔吐が落ち着いてから、少しずつ水分補給を始めましょう。
- 常温かやや冷たい程度の水分を与える
冷たすぎる飲み物は胃を刺激し、嘔吐を誘発する可能性があります。また、温かすぎる飲み物も吐き気を悪化させることがあるので、常温かやや冷たい程度の水分を与えるようにしましょう。
吐き気が強い場合は、無理に水分や食事を与えない
吐き気が強い時は、無理に水分や食事を与えないようにしましょう。嘔吐を繰り返すと、食道が炎症を起こしたり、消化管に負担がかかったりすることがあります。消化管は口から肛門まで続く1本の管であり、食べた物がこの管を通って消化・吸収されます。嘔吐は、この消化管の蠕動運動(消化管が収縮と弛緩を繰り返して内容物を送る運動)が逆方向に働くことで起こります。吐き気強いときは、様子を見ずに、なるべく早く医療機関へかかりましょう。
安静を保ち、刺激を避ける
嘔吐している時は、体も心も疲れています。静かな場所で休ませ、強い光や音、においなどの刺激を避けましょう。刺激の少ない環境を作ることで、自律神経のバランスを整え、吐き気を和らげることができます。
吐瀉物が気道に入らないよう、横向きに寝かせる
嘔吐物が気道に入ると、窒息や誤嚥性肺炎を起こす危険があります。誤嚥性肺炎は、嘔吐物や食べ物などが誤って気管に入り、肺に炎症を起こす病気です。嘔吐している時や嘔吐後すぐは、横向きに寝かせて、吐瀉物が気道に入らないように注意しましょう。特に乳幼児は自分で体位を変えることが難しいため、保護者の方が注意深く見守る必要があります。回復体位をとらせるのも効果的です。
清潔な環境を保つ
嘔吐物は、ウイルスや細菌を含んでいる可能性があります。嘔吐物を処理する際は、使い捨ての手袋やマスクを着用し、二次感染を防ぎましょう。また、嘔吐物が付着した場所や物は、0.1%に薄めた塩素系漂白剤で消毒しましょう。処理後は、石鹸と流水で丁寧に手を洗いましょう。ノロウイルスは感染力が強く、少量のウイルスでも感染する可能性があります。吐物や便の中にウイルスが長時間残存するため、適切な処理と消毒を行うことが重要です。
■子どもの嘔吐:病院を受診すべきケース
多くの場合嘔吐は一過性のもので、自然に回復しますが、中には緊急の対応が必要なケースもあります。 早急に医療機関を受診すべきサインを見落とさないように、注意深くお子さんの状態を観察しましょう。
嘔吐が続く、または悪化する
嘔吐が続く、または悪化する場合は、注意が必要です。嘔吐が6時間以上続く場合や、吐く回数が増えてきた場合は、医療機関への受診を検討しましょう。
特に、嘔吐物が緑色や赤色など異様な色をしている場合は、早急に病院を受診することが重要です。緑色の嘔吐物は胆汁の逆流を示唆しており、腸閉塞などの緊急性の高い病態の可能性があります。また、赤色の嘔吐物は消化管出血の可能性があり、これも迅速な医療介入が必要となります。
嘔吐が続く原因としては、ウイルス性胃腸炎や細菌性食中毒、髄膜炎など、様々な病気が考えられます。また、嘔吐が長引くと脱水症状を引き起こすリスクが高まります。特に小さなお子さんは、体内の水分量が少なく、脱水症状に陥りやすいので注意が必要です。
水分を全く取れない、脱水症状が見られる
嘔吐によって水分が失われると、脱水症状が現れます。脱水症状は、体内の水分と電解質(体液のバランスを整えるミネラル)が不足した状態です。重症化すると、生命に関わる危険性もあるため、注意が必要です。
脱水症状のサインとしては、以下のようなものがあります。
- 顔色が悪い
- 唇が乾いている
- 目がくぼんでいる
- 元気がない
- おしっこの量が減る、または全く出ない
- 泣いても涙が出ない
- 皮膚の弾力性が悪い(つまんで離すと戻りが遅い)
小さなお子さんでは、機嫌が悪くぐったりしている、おむつが濡れないなどのサインにも注意が必要です。これらの症状が見られる場合は、すぐに病院を受診しましょう。
軽度の脱水であれば、経口補水液やイオン飲料などで水分補給ができますが、重度の脱水症状の場合は点滴が必要になることもあります。医療機関では、脱水症状の程度を正確に評価し、適切な水分補給の方法を判断します。
意識がもうろうとしている
嘔吐と共に意識がもうろうとしている場合は、緊急性の高い状態です。脳の病気や重度の脱水症状などが考えられます。このような場合は、直ちに救急車を呼ぶか、近くの医療機関に連絡し、指示を仰ぎましょう。
意識の状態を確認するために、呼びかけに反応するか、軽く肩をたたいて反応するかなどを確認してみてください。反応が鈍い、または全く反応がない場合は、一刻を争う事態かもしれません。
激しい腹痛を伴う
嘔吐と同時に激しい腹痛がある場合、腸閉塞、虫垂炎、腸重積などの緊急性の高い疾患の可能性があります。
腸閉塞は、腸の内容物が詰まってしまうことで、激しい腹痛や嘔吐を引き起こします。虫垂炎は、盲腸の先端にある虫垂に炎症が起こる病気で、吐き気、嘔吐、右下腹部の痛み、発熱などの症状が現れます。腸重積は、腸の一部が腸の中に重なり込んでしまう病気で、生後数ヶ月から2歳くらいのお子さんに多く見られます。突然の激しい腹痛、嘔吐、イチゴジャムのような血便などの症状が現れます。
これらの疾患は、適切な治療を行わなければ重篤な合併症を引き起こす可能性があります。激しい腹痛を伴う嘔吐が見られた場合は、躊躇せずに医療機関を受診しましょう。
血便や胆汁(緑色の液体)を吐く
吐いたものに血が混じっていたり、胆汁(緑色の液体)が混じっていたりする場合は、消化管出血や腸閉塞などの深刻な病気が隠れている可能性があります。
血便は、消化管のどこかで出血が起こっていることを示唆しています。原因としては、炎症性腸疾患、感染性腸炎、ポリープなど様々な疾患が考えられます。胆汁を吐く場合は、腸閉塞などの緊急性の高い病気が疑われます。
これらの症状は、早急な医療介入が必要となる重篤な疾患のサインである可能性があります。自己判断で様子を見ることは危険です。速やかに医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けるようにしましょう。
■まとめ
嘔吐の原因は、ウイルス性胃腸炎や食中毒、感染症、アレルギーなど様々です。まずは水分補給を少量ずつ行い、安静にさせて様子を見ましょう。吐き気が強い場合は、無理に飲ませないで。吐瀉物が気道に入らないよう、横向きに寝かせるのも大切です。
嘔吐が続く、水分が取れない、意識がもうろうとする、激しい腹痛や血便・胆汁を伴う場合は、すぐに病院へ。特に緑や赤色の嘔吐物は要注意です。お子さんの様子をしっかり見て、少しでも心配なら迷わず受診してください。