病気と健康の話

【慢性腎臓病】腎臓は守る臓器へ ―最新10論文で読み解く、腎臓を護るための現在地と展望

はじめに ― 健診の「eGFR」と「尿たんぱく」、見過ごしていませんか?

健康診断の結果票に並ぶ「クレアチニン」「eGFR(推算糸球体濾過量)」「尿たんぱく」。数字に小さな印がついていても、痛くもかゆくもないために、そのままにしている方は少なくありません。腎臓は機能の多くが失われるまで症状が出にくく、「沈黙の臓器」と呼ばれてきました。しかし、この 10 年で腎臓をめぐる医療は大きく変わりました。かつては「悪くなるのを見守るしかない」と言われた慢性腎臓病(CKD)が、いまや複数の薬と生活習慣の組み合わせによって「進行を遅らせ、守ることができる病気」へと姿を変えつつあります。
その流れを象徴するのが、2026年8月にLancet Diabetes & Endocrinology誌に発表された研究です。肥満症・心血管病・CKDを対象とした3つの大規模試験(SELECT、FLOW、SOUL)の参加者3万787人を統合解析した結果、GLP-1受容体作動薬のセマグルチド(商品名:オゼンピック、ウゴービ、リベルサス)が、腎機能の大幅な低下・腎不全・腎臓や心血管による死亡をまとめたリスクを16%減らしたと報告されました(Mann et al., 2026)。さらに同年、Nature Reviews Nephrology 誌では、心臓・腎臓・代謝を一つながりの病態として捉える「心血管・腎・代謝(CKM)症候群」の中心にアルドステロンという副腎ホルモンの過剰な働きがあることを示し、それを標的とする治療の全体像がまとめられました(Sánchez-Bayuela et al., 2026)。
本コラムでは、この2本の論文に欧米の権威ある最新研究8件を加えた計10件をもとに、「腎臓を護る医療」の現在地と、これから先の展望を、一般の方にもわかる言葉で整理します。

1. 世界で7億8800万人 ― 数字で見る慢性腎臓病の現在地

慢性腎臓病は、決してまれな病気ではありません。世界の疾病負担を推計する Global Burden of Disease(GBD)研究の 2023 年版では、世界の成人のうち約7億8800万人がCKDを抱えており、1990年の約3億7800万人から2倍以上に増えたと報告されました。年齢構成を補正した有病率は14.2%、つまり成人のおよそ7人に1人です。2023年には約148万人がCKD で亡くなり、死因の第 9 位に位置しています(GBD 2023 Chronic Kidney Disease Collaborators, Lancet 2025)。
注目すべきは、CKD が「腎臓だけの病気」ではない点です。同じGBD研究は、世界の心血管死亡の11.5%が CKD に起因すると推計しています。腎機能が落ちると、血圧の上昇、血管の石灰化、貧血、体液の貯留などを介して心臓や血管への負担が増し、心筋梗塞・脳卒中・心不全のリスクが高まります。腎臓を護ることは、そのまま心臓と脳を護ることにつながるのです。
また、CKD を増やしている主な要因として、同研究は高血糖、肥満(高い BMI)、高血圧の 3つを挙げています。いずれも日常診療で出会う生活習慣病であり、裏を返せば、これらを早期から適切に管理することが腎臓を護る最大の近道といえます。高齢化と肥満・糖尿病の増加が進む日本でも、CKDは国民病の一つとして位置づけられています。

2. 早期発見の鍵は「二つの物差し」 ― eGFRと尿アルブミン

CKDの診断と重症度の評価には、二つの物差しを使います。一つはeGFRで、血液中のクレアチニン(筋肉から出る老廃物)などから、腎臓がどれだけ血液をろ過できているかを推定した値です。もう一つが尿中のアルブミン(たんぱくの一種)で、尿アルブミン/クレアチニン比(UACR)として測定します。国際腎臓病ガイドライン機構(KDIGO)による2024年のCKD診療ガイドラインは、この二つを組み合わせたマトリクス(いわゆるヒートマップ)でリスクを色分けし、治療の強さや受診間隔を決めることを推奨しています(KDIGO CKD Work Group, Kidney Int 2024)。
とくに重要なのが尿アルブミンです。eGFR がまだ正常範囲でも、尿にアルブミンが漏れ出していれば、腎臓のフィルター(糸球体)や全身の血管がすでに傷み始めているサインであり、将来の腎機能低下や心血管病のリスクが高いことがわかっています。KDIGO ガイドラインは、糖尿病や高血圧、心血管病、肥満などのリスクを持つ方には eGFR と尿アルブミンの両方を定期的に測ることを求めています。
ただし、クレアチニンは筋肉量の影響を受けます。体重が大きく減ったり筋肉量が少ない高齢の方では、eGFR が実際の腎機能より良く見えることがあり、必要に応じて筋肉量の影響を受けにくいシスタチンCでの評価も検討されます(KDIGO CKD Work Group, 2024)。当院では血液・尿検査に加え、超音波検査や CT で腎臓の形や大きさ、結石・嚢胞の有無なども確認し、多面的に評価しています。

3. SGLT2 阻害薬 ― 薬をやめても続く「守り」の効果

腎臓を護る治療の土台は、昔から使われてきたACE阻害薬やARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)による血圧・尿たんぱくのコントロールです。その上に、この数年で「第一の柱」として加わったのがSGLT2阻害薬です。もともと糖尿病の薬として登場しましたが、腎臓の糸球体にかかる過剰な圧力を下げる働きがあり、糖尿病の有無にかかわらず腎臓を護ることが明らかになりました。
代表的な試験であるEMPA-KIDNEYでは、糖尿病のない方も含む6,609人のCKD患者がエンパグリフロジン(商品名:ジャディアンス)またはプラセボ(偽薬)に割り付けられました。2025年にNew England Journal of Medicine(NEJM)誌に発表された長期追跡の結果では、試験終了後さらに約2年の追跡を含めた全期間で、腎臓病の進行または心血管死のリスクが21%低下していました(26.2%対 30.3%、ハザード比 0.79)。しかも、試験薬の服用を終えた後の期間だけを見ても、リスクの低下(ハザード比0.87)がおよそ1年間持続していたのです(EMPAKIDNEY Collaborative Group, N Engl J Med 2025)。
この「レガシー(遺産)効果」は、早く始めるほど腎臓に蓄積される恩恵が大きいことを示唆しています。KDIGO 2024ガイドラインも、eGFRが20以上のCKD患者の多くにSGLT2阻害薬を推奨しています。一方で、脱水時の注意や性器感染症などの副作用もあるため、体調不良時の休薬ルール(シックデイ・ルール)を含めて主治医とよく相談することが大切です。

4. GLP-1 受容体作動薬 ― FLOW試験から3万人の統合解析へ

「やせ薬」として話題になることの多いGLP-1受容体作動薬ですが、腎臓の分野で最も注目されている薬の一つでもあります。転機となったのが2024年のFLOW試験です。2型糖尿病とCKDを併せ持つ3,533人を対象に、週1回のセマグルチド注射を行ったところ、腎不全・eGFR の 50%以上の低下・腎臓や心血管による死亡を合わせたリスクが 24%低下しました(Perkovic et al., N Engl J Med 2024)。GLP-1 受容体作動薬で腎臓そのものを主要評価項目とした初めての大規模試験でした。
続いて、11 件のランダム化試験・8 万5,373 人を統合したメタ解析(複数の研究をまとめて解析する手法)では、2 型糖尿病の方において GLP-1 受容体作動薬が腎臓の複合イベントを18%、腎不全そのものを 16%減らし、心血管イベントと全死亡も減少させることが確認されました(Badve et al., Lancet Diabetes Endocrinol 2025)。
そして今回添付した 2026 年の統合解析は、これをさらに一歩進めました。糖尿病のない肥満の方(SELECT)、糖尿病とCKDの方(FLOW)、糖尿病と心血管病の方(SOUL)という異なる3集団、3 万 787 人の個人データを統合したところ、腎複合イベントは 16%減少(ハザード比0.84)、心血管死を除いた「腎臓に特化した」複合イベントも 20%減少しました。年間のeGFR 低下速度も、プラセボの-1.74に対しセマグルチドでは-1.26(mL/分/1.73m²/年)と緩やかでした。効果は注射薬・飲み薬のどちらでもみられ、糖尿病の有無、BMI、HbA1c、尿アルブミンの量にかかわらずほぼ一貫していました。とくにeGFRが60未満の方ではeGFR低下の抑制幅がより大きかったと報告されています(Mann et al., 2026)。
著者らは、この効果が血糖や体重の改善だけでは説明しきれない可能性を指摘しています。一方、体重が減ると筋肉量も減ってクレアチニンが下がり、eGFR が見かけ上良くなる可能性がある点や、研究費が製薬企業から拠出されている点は、冷静に受け止めておくべき限界です。胃腸症状による中止はセマグルチド群でやや多かったものの、重篤な有害事象は全体としてむしろ少なかったとされています。

5.非ステロイド型MRA ― 「アルドステロン」という黒幕

腎臓を傷める要因として、近年ますます注目されているのがアルドステロンです。副腎から分泌されるこのホルモンは、本来は塩分と水分のバランスを保つ役割を担っていますが、過剰に働くと腎臓・心臓・血管・脂肪組織・肝臓などで炎症と線維化(組織が硬くなること)を引き起こします。Nature Reviews Nephrology誌の総説は、肥満や脂肪細胞から出るレプチンなどがアルドステロン産生を刺激し、高血圧、糸球体の過剰ろ過、尿アルブミン、腎障害の悪循環を生むと解説しています(Sánchez-Bayuela et al., 2026)。
このアルドステロンの受け皿(ミネラルコルチコイド受容体、MR)をブロックするのが MR 拮抗薬(MRA)です。従来のスピロノラクトンなどは高カリウム血症や女性化乳房などの副作用が課題でしたが、非ステロイド型のフィネレノン(商品名:ケレンディア)は組織選択性が高く、安全性が改善しています。同総説によると、2 型糖尿病を伴う CKD を対象としたFIDELIO-DKD 試験とFIGARO-DKD試験を統合した1万3,000人超の解析では、フィネレノンが腎不全のリスクを 23%、主要心血管イベントを 14%減らし、全死亡も減少させました(Sánchez-Bayuela et al., 2026)。
さらに2026年7月には、糖尿病のないCKD患者1,584人を対象としたFIND-CKD試験の結果がNEJM誌に発表されました。約32か月の追跡で、フィネレノンはプラセボに比べて年間のeGFR 低下を約0.7 mL/分/1.73m²緩やかにし、腎臓と心血管を合わせた複合イベントを23%減らしました(Heerspink et al., N Engl J Med 2026)。糸球体腎炎などを原因とするCKDでも同様の効果がみられたと報告されており、「糖尿病のない腎臓病」に対する新たな選択肢として期待されています。なお、国内での保険適用は薬剤ごと・病態ごとに異なるため、実際の処方は個別の判断となります。

6. 「足し算」の時代へ ― 作用の異なる薬を組み合わせる

SGLT2 阻害薬、GLP-1 受容体作動薬、非ステロイド型 MRA は、それぞれ腎臓を護る仕組みが異なります。SGLT2 阻害薬は糸球体の圧を下げ、GLP-1 受容体作動薬は代謝や炎症を改善し、MRA はアルドステロンによる炎症・線維化を抑えます。そこで現在の焦点は、「どの薬を選ぶか」から「どう組み合わせるか」へと移りつつあります。
2025 年にNEJM誌で報告されたCONFIDENCE試験では、2型糖尿病とCKDを持つ818人に、フィネレノンとエンパグリフロジンを同時に開始する群と、どちらか一方だけの群を比較しました。180日後、併用群では尿アルブミンが約52%減少し、フィネレノン単独より29%、エンパグリフロジン単独より 32%大きく低下しました。低血圧や急性腎障害、高カリウム血症による中止も少なかったとされています(Agarwal et al., N Engl J Med 2025)。
GLP-1 受容体作動薬とSGLT2阻害薬の組み合わせについても検討が進んでいます。FLOW試験の追加解析をNature Medicine誌に報告した研究では、SGLT2阻害薬をすでに使っていたかどうかにかかわらず、セマグルチドによる心血管イベントと死亡の抑制効果は一貫していました(Mann et al., Nat Med 2024)。2026 年の統合解析でも、SGLT2阻害薬併用者で腎複合イベントの減少は統計的に明確ではなかったものの、eGFR 低下の抑制と尿アルブミンの減少は認められ、著者らは「総合的なエビデンスは両者の併用を支持する」と結論づけています(Mann et al., 2026)。ただし、3 剤・4剤を組み合わせた場合の長期的な腎臓・心臓への効果は、まだ直接確かめられていない段階です。

7. 展望 ― アルドステロン合成酵素阻害薬と「CKM症候群」という考え方

次の一手として研究が進んでいるのが、アルドステロンの「受け皿」ではなく「製造工場」を止めるアルドステロン合成酵素阻害薬(ASI)です。Nature Reviews Nephrology誌の総説によると、バクスドロスタットは治療抵抗性高血圧の第III相試験で収縮期血圧をプラセボよりおよそ9〜10 mmHg 下げ、ロルンドロスタットやビカドロスタットも尿アルブミンの減少や血圧低下を示しています(Sánchez-Bayuela et al., 2026)。
一方で、同総説は、ビカドロスタットとエンパグリフロジンの併用を約1万1,000人で検証していた第 III 相試験(EASi-KIDNEY)が、主要評価項目での明確な有益性が見込めないとして2026 年 9 月に早期中止されたことも伝えています。尿アルブミンや血圧といった「途中の指標」が良くなっても、それが腎不全や死亡の減少に必ずつながるとは限らない。医学の進歩には、このような慎重な検証の積み重ねが欠かせません。
もう一つの大きな流れが、米国心臓協会(AHA)が 2023 年に提唱した「心血管・腎・代謝(CKM)症候群」という考え方です。肥満・糖尿病・高血圧・CKD・心臓病を別々の病気としてではなく、互いに悪化させ合う一つの連続体として捉え、早い段階から臓器横断的に介入しようというものです(Sánchez-Bayuela et al., 2026)。2026 年の統合解析のタイトルにも「心・腎・代謝疾患」という言葉が使われており(Mann et al., 2026)、腎臓を護る医療は、内科全体で取り組む時代に入ったといえます。

8. 今日からできること ― 生活習慣と「測る」習慣

どれほど薬が進歩しても、腎臓を護る土台は生活習慣です。GBD研究が示したCKDの三大要因である高血糖・肥満・高血圧は、いずれも生活習慣の改善で大きく変えられます(GBD 2023 Chronic Kidney Disease Collaborators, 2025)。KDIGO 2024 ガイドラインは、減塩(ナトリウム 2g/日未満、食塩相当量で約 5g/日未満)、禁煙、適正体重の維持、週 150 分程度を目安とした中等度の身体活動を推奨しています(KDIGO CKD Work Group, 2024)。
運動は腎臓に悪いと心配される方もいますが、適切な強度の運動は血圧・血糖・体重を改善し、心血管リスクを下げるため、多くのCKD患者に勧められています。ただし、腎機能の程度や合併症によって適切な内容は異なるため、医師や専門スタッフと相談しながら進めることが安全です。当院では運動療法の専門的なサポートと InBody(体組成計)による筋肉量の評価を行っており、減量中に筋肉を落とさない工夫も一緒に考えます。
そして何より大切なのが「測る」ことです。年に1回はeGFRと尿検査(できれば尿アルブミンまたは尿たんぱく/クレアチニン比)を確認し、血圧は家庭でも測りましょう。痛み止め(非ステロイド性抗炎症薬)の長期連用やサプリメントの自己判断での服用も、腎臓に負担をかけることがあるため注意が必要です。

おわりに ― 「沈黙」を破るのは、早めの一歩

この 10 件の論文が描き出したのは、腎臓を護る医療が「見守る時代」から「積極的に守る時代」へと移ったという現在地です。SGLT2 阻害薬、GLP-1 受容体作動薬、非ステロイド型MRA という三本の柱がそろい、それらを組み合わせる「足し算」の治療や、アルドステロンを上流から抑える新薬の検証が進んでいます。2026 年の統合解析は、腎臓を守る効果が糖尿病の有無や体格を問わず広く及ぶ可能性を示しました。
一方で、これらの恩恵を最大限に受けるための前提は、腎臓の異変を早く見つけることです。健診で eGFR の低下や尿たんぱくを指摘された方、糖尿病・高血圧・肥満・心臓病をお持ちの方は、症状がなくても一度ご相談ください。まんかいメディカルクリニックでは、血液・尿検査に加え、超音波・CTによる画像評価、内分泌・代謝の専門的な診療、GLP-1関連の治療、そして運動療法まで、腎臓を護るための取り組みを一貫して行っています。日曜・祝日も診療していますので、お忙しい方もお気軽にお越しください。

FAQ ― よくあるご質問

Q1. 健診で「eGFRが60未満」と言われました。すぐに透析になるのでしょうか?

いいえ、すぐに透析が必要になるわけではありません。eGFRが60未満の状態が3か月以上続くとCKDと診断されますが、多くの方は適切な管理によって長期にわたり腎機能を保つことができます。KDIGO 2024 ガイドラインは、eGFR と尿アルブミンの組み合わせでリスクを評価し、それに応じて治療を強めることを推奨しています(KDIGO CKD Work Group, 2024)。2026 年の統合解析では、eGFR60 未満の方でセマグルチドによる eGFR 低下の抑制幅がより大きかったと報告されており(Mann et al., 2026)、早めに治療を始める意義は大きいといえます。

Q2. 腎臓の数値が気になります。糖尿病がなくても腎臓を守る薬はありますか?

あります。SGLT2 阻害薬は、EMPA-KIDNEY 試験で糖尿病のない方を含む CKD 患者の腎臓病の進行や心血管死を減らしました(EMPA-KIDNEY Collaborative Group, 2025)。また2026年の FIND-CKD 試験では、糖尿病のない CKD 患者でフィネレノンが eGFR 低下を緩やかにし、腎臓・心血管の複合イベントを23%減らしています(Heerspink et al., 2026)。ただし、国内の保険適用や個々の方への適否は腎機能や合併症によって異なるため、医師と相談のうえで判断します。

Q3. オゼンピックやウゴービなどのGLP-1製剤は、腎臓にも良いのですか?

近年の大規模研究では、腎臓を守る効果が示されています。FLOW 試験では 2 型糖尿病とCKD を持つ方で腎臓の重大イベントが24%減少し(Perkovic et al., 2024)、3つの試験の3 万人超を統合した 2026 年の解析でも、糖尿病の有無や注射・飲み薬の違いにかかわらず腎複合イベントが16%減少しました(Mann et al., 2026)。一方、吐き気や下痢などの胃腸症状が出ることがあり、国内での保険適用は病態ごとに定められています。美容目的の自己判断での使用は避け、医師の管理下で使用することが大切です。

Q4. 腎臓が悪いと言われたら、運動は控えたほうがよいですか?

多くの場合、適度な運動はむしろ勧められます。KDIGO 2024ガイドラインは、CKDの方にも心肺機能や体力、体格に合わせた中等度の身体活動(週150分程度を目安)を推奨しています(KDIGO CKD Work Group, 2024)。肥満や高血圧、高血糖はCKDの主要な原因であり(GBD 2023 Chronic Kidney Disease Collaborators, 2025)、運動はこれらを改善します。ただし、腎機能が大きく低下している方や心臓病を合併している方は、強度や内容の調整が必要ですので、医師にご相談ください。

Q5. 腎臓を守る薬はたくさんあるようですが、一緒に飲んでも大丈夫ですか?

作用の仕組みが異なるため、組み合わせることで効果が上乗せされる可能性が示されています。CONFIDENCE 試験では、フィネレノンとエンパグリフロジンの同時開始で尿アルブミンが約52%減少し、どちらか単独よりも大きな効果がみられました(Agarwal et al., 2025)。GLP-1 受容体作動薬も SGLT2 阻害薬の有無にかかわらず心血管への効果は一貫していました(Mann et al., Nat Med 2024)。ただし、高カリウム血症や脱水などに注意が必要で、併用による長期的な効果はまだ検証中です。定期的な血液検査を行いながら、主治医と段階的に進めることが大切です。

参考文献

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※本コラムは医学的情報の提供を目的としたものであり、個別の診断・治療を代替するものではありません。気になる症状がある方は医療機関にご相談ください。

記事監修者田場 隆介

医療法人社団 青山会 まんかいメディカルクリニック 理事長

医療法人社団青山会代表。兵庫県三田市生まれ、三田小学校、三田学園中学校・同高等学校卒業。 1997(平成9)年岩手医科大学医学部卒業、町医者。聖路加国際病院、淀川キリスト教病院、日本赤十字社医療センター、神戸市立医療センター中央市民病院を経て、2009(平成21)年医療法人社団青山会を継承。 2025年問題の主な舞台である地方の小都市で、少子高齢化時代の主役である子どもと高齢者のケアに取り組んでいる。

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